最高裁判所第二小法廷 昭和28(し)11 決定
主 文
本件特別抗告を棄却する。
理 由
最高裁判所が抗告につき裁判権を有するのは、訴訟法において特に定める抗告だ
けに限られることは、裁判所法七条によつて明白である。そして、刑訴法四三三条
は「この法律により不服を申し立てることができない決定又は命令に対しては、四
〇五条に規定する事由があることを理由とする場合に限り、最高裁判所に特に抗告
することができる。」と規定しているだけで、その他に最高裁判所に対し抗告を為
しうることを認めた規定は存しない。しかるところ、原決定は検察官のした押収物
還付処分の変更請求を理由なきものと認めて棄却したに過ぎない、すなわち、単に
検察官の処分を是認するというにあつて毫も憲法上の判断を示していないのである
から、これを違憲だとする論旨の実質は、結局、原決定が是認した検察官の押収物
還付処分は還付すべき相手方を誤認したため刑訴法の適用を誤つたと主張すること
に帰着する。それ故、本件特別抗告の論旨は刑訴四〇五条の適法な抗告理由に該当
しないものである。
よつて、刑訴四三四条、四二六条一項に則り、裁判官全員一致の意見で主文のと
おり決定する。
昭和二八年九月一六日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 霜 山 精 一
裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
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